2021年後半ごあいさつ

 2020年、ドイツのオーバアマガウでは、キリストの「受難劇」が上演される予定でした。この「受難劇」は、村人が、中世に流行したペストの退散を神に願い、このペストから解放されたなら、10年毎に「キリストの受難劇」を上演するとの誓いから、第一回目は1634年に上演されました。ペストからは解放され、その後、10年毎に継続されていたものが、昨年、コロナのために延期になったのです。奇しくも、この「受難劇」開催予定の年、2020年の1月3日に中国湖北省武漢市でコロナウイルスが発見されました。私は何か神からの強いメッセージがあるのではと強く感じています。そして、コロナは、その強い感染力により、1月14日には、武漢市に滞在して肺炎のような症状を呈していた日本人が、日本における最初のコロナ患者となり、究極的な便利さを追求する現代にあって、このウイルスは形を変えながら、想像をはるかに超えたスピードで全世界に感染を拡大させ、一年半たった現在でも、その脅威は収まるどころか、未だに増え続けています。

 このような中で私たちには何ができるのでしょうか?コロナウイルスの前に無力な者として立ち続けるのでしょうか。教皇フランシスコは「最悪な貧困とは孤独であり、愛されていないという感覚である。この精神的貧困に立ち向かうのは私達の責務である。」とおっしゃっています。そして、コロナで人からは隔離されている人々に電話一本でもかけるように、孤独のまま放っておかないようにと強く呼びかけていらっしゃいます。また、マザーテレサは、「孤独と誰からも愛されていないという感覚は最も残酷な貧困である。」とおっしゃっています。コロナウイルスは患者を孤独にします。だから、先ず一日も早い終息を祈ること。経済至上主義の価値観を見直し、真剣にこれからのあり方を考えること。このように何が大切かを考える時を神が与えて下さったのではないでしょうか。

 巡礼に出るのはまだ早いと考えている人も多い中で、出ても良いのではと考える人もいます。ステラでは、今年の後半、いくつかの国内巡礼を計画しています。細心の注意を払って、出かけてみたい方々へのご参加を願っています。詳細については、ステラにご連絡ください。皆さまがお元気に、この大変な時を乗り越えていくことができますよう、ステラ一同心からのお祈りをお捧げ致します。

小池 俊子

代表取締役 小池 俊子